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絶世の美女のアイシャドー・・・

Malachite マラカイト 孔雀石

Malachiteマラカイトは、ギリシャ語のMalache(ゼニアオイ)の葉の色、或いは、Malacos(柔らかい)を語源にもつ。

確かに、マラカイトはまさに植物の葉の色だし、鉱物としては、やや柔らかい部類(モース硬度3.5~4)であることを考えると・・・う~ん・・・納得。

古代エジプト人(紀元前4000年!)は、シナイ半島からそれらを運び入れ、高貴な方々の宝飾品や化粧品(アイシャドー)として使用されていたという。それは、絶世の美女も使っていたと言われている。

そしてそれらは、古代ギリシャや古代ローマへと伝わった。

パワーストーン的意味合いでのマラカイトは、洞察力や直感力を向上させ、危険なものや邪悪なものを察知し、それらを避けることによって、災いから身を守れるとされ、悪を払う石として用いられてきた。

権力者や上に立つ人にとって、様々な方面から狙われる可能性が高いこともあるだろうから、目元にアイシャドーとしてマラカイトを使うということは、まさに鬼に金棒(??例えが違う??笑)的な使い方なのかもしれない。

実際にマラカイトを砕いて、そのままアイシャドーにするのは、お勧めできませんが・・・。

マラカイトは、単斜晶系でありながら、しっかりした結晶形は示さず、針状結晶や鍾乳石状結晶の集合体で見つかるなど、多様な形状で産出する。

鍾乳石状集合体の一部を研磨すると、あの丸い模様が表れる。

層状に結晶していったことが、これを見ることで良く分る。

この模様が、孔雀の羽根の模様に似ていることから、和名 孔雀石 と名付けられたという。

このように、模様部分を切り取り研磨すると、層になって結晶した部分が、まるで何かの『 目 』のように見える。

そのことから、これを邪気を払うお守りとして持つ地域もあるとか・・。

針状結晶の集合体で、表面がベルベットのような輝きを見せるこんな感じものや

こんな面白い形のものも

まるで樹木のよう。

化学式は、 Cu2CO3(OH)2 であり、アズライトのそれ Cu3(CO3)2(OH)2 に非常に似ているのは、アズライトが風化するとマラカイト変わるためである。

そのせいか、アズライトと共生する鉱物標本は多い。

この標本は、水晶を芯とし、その表層にアズライトやマラカイトなどが、水晶をすべて覆うように結晶した標本で、とても興味深い。

また、結晶の変化の途中ではなく、まるまる変わってしまったものも当然有る。

それらの中でも、次の写真は、結晶の形はアズライトで、その中身がマラカイトに変わったもの。

鉱物の中には、このように、形状は以前の結晶形を残したまま、中身が別のものに変化してしまい、本来、変わった後の鉱物ではあり得ない結晶形状を成すものを『 仮晶 』といい、『もとの鉱物の名前+ 仮晶』の名前で呼ばれる。先の標本は『アズライト仮晶』という。

このように、様々な形状を見せてくれるマラカイトは、目を楽しませてくれるとても興味深い鉱物。

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